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PyPyは次の両方を指します:
PyPyは作りやすさ、柔軟性、維持の容易さ、言語実装における速度のトレードオフに対する新しい解を見つけようとしています。 細かいことは goal and architecture document を参照してください。
ほとんどできてます!
どんなプロジェクトでも十中八九つまずくところは拡張モジュールのサポートです。 PyPyは絶えず成長している多くの extension modules をサポートしていますが、 これまではたいてい標準ライブラリ内のものだけをサポートしてきました。
言語の機能(組み込み型と組み込み関数を含む)は全くもって完全でテストも十分に行われていますので、 もしあなたのプロジェクトが多くの拡張モジュールを使っていなければ、 PyPyで上手く動作させるのにいい機会です。
既知のCPythonとの違いを cpython differences に挙げました。
CPython拡張モジュールの実験的サポートは行なっていますので、ちょっとコードを変えるだけで動きます。 この機能はPyPy 1.4から一部サポートしていますが、まだβ版です。 PyPyのCPython拡張モジュールは、参照カウントをエミュレートしなければいけないのでしばしばCPythonよりもずっと遅いです。 CPython拡張をpure python版に置き換えるとずっと速くなることもよくあります。
ctypesベースの拡張はすべてサポートしています。
PyPyでどの3rd party拡張が動くか(あるいは動かないか)については compatibility wiki を参考にしてください。
PyPyは通常大規模にはLinuxとMac OS Xでテストされて、Windowsでもたいていは動作します。 (しかし前者2つよりはテストは小規模です)PyPyはブートストラップするために対象のプラットフォームでCPythonが動作している必要があり、 その理由でクロスコンパイルはまだ実際には動作していません。しばらくはCPython 2.5-2.7がトランスレーション処理に必要となります。 PyPyのJITはx86またはx86_64のCPUを必要とします。
PyPyは今のところPython 2.7と完全互換を目指しています。これはPython 2.7の標準ライブラリも含むという意味です。 そして2.7の機能(たとえばセット内包)もサポートします。
はい、PyPyにはGILがあります。GILを取り除くのはとても厳しいです。 最初の課題はガベージコレクションがリエントリー性ではないということです。
これはコードに依ります。pure Pythonのアルゴリズムコードならとても速いです。 典型的なPythonプログラムであれば、CPython 2.6の3倍速いです。 我々の benchmarking site と jit documentation も興味があればどうぞ。
はい、PyPyインタープリターを翻訳するツールスイートはかなり汎用的で、 Pythonだけでなく、どんな言語のインタープリタの最適化版を作るのにも使えます。 もちろん、これらのインタープリタはPyPyがPythonにもたらしたものと同じ機能を使うことができます。 具体的には様々な言語の翻訳機能、スタックレス、ガベージコレクション、任意長整数型などの様々実装などです。
現在、JavaScriptインタープリタの暫定版を作っています。(Leonardo Santagadaが夏のPyPyプロジェクトでやっていました) Prolog interpreter の暫定版(Carl Friedrich Bolzの学士論文)や SmallTalk interpreter の暫定版(スプリント中に作られました)もあります。 PyPy bitbucket page にはSchemeとIoの実装もあります。どちらもいまはまだ完成していません。
もちろんスプリントに参加できますよ!私たちはいつでも新人を歓迎していますし、 できるだけプロジェクトに参加しやすくなるようなお手伝いもしています。 チュートリアルや経験があるPyPy開発者とのペアプロも実施します。 スプリントに初めて参加する場合にはPythonの経験とPyPyのドキュメントを読んできて下さい。
スプリントに参加するのはPyPy開発をする上で最も良い方法です。 もし行き詰ってしまったりアドバイスが必要なら、私達に連絡して下さい( contact us )。 IRCは最も迅速にフィードバックを得られる方法です。 (少なくとも日中はそうです。ほとんどのPyPy開発者はヨーロッパにいます)そして mailing list は長い議論に向いています。
Linux上ではSELinuxが有効になっていると、 “OSError: externmod.so: cannot restore segment prot after reloc: Permission denied.”に続くエラーが出てくると思います。 これはconfigure中のCコンパイラの乱用によるもので、次のコマンドをroot権限で実行すれば無効に出来ます:
# setenforce 0
これでSELinuxの保護を無効にして、PyPyがきちんとconfigureされます。必要なときは再度有効にすることを忘れずに!
いいえ、PyPyはPythonのコンパイラではありません。
Pythonでは、静的解析をすることでプログラムが扱う型を 証明する ことはほぼ不可能です。 Pythonをよく知っていれば当たり前ですが、もし懐疑的なら [BRETT] を参考にしてください。
もし速いPythonプログラムが欲しいなら、代わりに我々の JIT を使って下さい!
[BRETT] | Brett Cannon, Localized Type Inference of Atomic Types in Python, http://citeseer.ist.psu.edu/viewdoc/summary?doi=10.1.1.90.3231 |
RPythonとはPythonの制限されたサブセットです。これはPyPyツールチェーンの中で動的言語インタープリタを実装するのに使われます。 制限のお陰でRPythonプログラムの型推論が出来ます。(またそれによって究極的には他の言語へトランスレートできます)
“RPythonになる”という特性は関数やモジュール1つではなく常にプログラム全てに適用されます。 (トランスレーションツールチェーンはプログラム全体の解析を行います)トランスレーションツールチェーンは全ての呼び出しを再帰的に追って、 何がどのプログラムに所属していて、何がそうでないかを見つけ出します。
RPythonプログラムは任意の方法での混合型の使用を制限します。RPythonは1つの変数に対して2つの異なる型を束縛することを許可しません。 この観点から(そしてほかの観点からも)Javaに似た感じがします。RPythonで許可されていない他の特徴としては、 __init__, __del__ 以外のスペシャルメソッド( __xxx__ )の利用です。リフレクションも使えません。( __dict__ など)
RPythonからはほとんどの標準ライブラリも使えません。例外はネイティブサポートがある os, math, time の一部の関数です。
RPythonの制限についてもっと知りたい方は RPython description の説明を読んで下さい。
いいえ、 Zope’s RestrictedPython はCPythonのサンドボックス実行環境を提供しようとしているものです。 PyPy’s RPython は動的言語インタープリタを実装するための言語です。 しかしながらPyPyはロバストな sandboxed Python Interpreter も提供しています。
“NOT_RPYTHON”と関数のdocstringに書けば、その関数はRPythonプログラムのトランスレート中に見つけられ、 トランスレート処理が止まってエラーとして報告します。 それ故、関数を”NOT_RPYTHON”とマークすることでそれらを絶対に解析されないように出来ます。
必要無いですしナンセンスですし、PyPyのやり方ではありません。このPythonをトランスレートするのはなんらかの型推論なしにはとても難しいです:
a + b
これを次のCommonLispよりも意味があるものにするのは難しいです:
(py:add a b)
そして型推論を可能にするのがRPythonがしていることです。
#'py:add を汎用関数にして、CLOS実装が実用的な速度で動くか確かめてもいいでしょう。 (しかし私が思うにその矯正ルールはまずあなたを狂わせるでしょう)―mwh
いいえ。そして試すことすらすべきではありません。PyPyは常に独自のインタープリタでコードを走らせます。 インタープリタはPython 2.7に完全準拠しています。RPythonはPyPy自身とそれ用の拡張モジュールが一部書かれている言語にすぎません。 RPythonでコードを書き直す必要がないだけでなく、試してみても速度の改善には繋がらないと思います。
現在のところ、 C 、 CLI 、 JVM のバックエンドがあります。これらすべてPyPyインタープリタ全体をトランスレート可能です。 バックエンドについてもっと知りたい方は translation document を見てください。
getting-started のガイドを読んで下さい。
Andrew Brown’s tutorial を読むことから始めて下さい。
いいえ、インタープリタ全体を再ビルドする必要があります。理由は次の2つです:
このような理由から、RPythonモジュールをインタープリタ全体のトランスレートとは独立してトランスレートできることはさほど重要ではありません。 (かなり頑張ればできないことはないですが、それは大仕事です。いまは見込みがないと思ったほうがいいです)